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俳諧師 前北かおる

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磯田和子句集『花火』(第零句集②)


Category: 俳句 > 夏潮第零句集鑑賞   Tags: 夏潮  磯田和子  花火  第零句集  
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 「夏潮第零句集の第二弾は、磯田和子さんの『花火』です。富山の方です。
 現代人らしい視点からお詠みになった俳句が多いですが、一方で自然体で郷土を詠まれた句もありました。一冊を通して読むと、肩肘張らずに風土に根ざしている感じで清々しかつたです。

  秋繭の籠れる部屋の薄明り
 「秋繭」が季題で秋。農家の一室に秋蚕を育てているのです。中二階の部屋を蚕室にしているような、養蚕農家を想像しました。ちょうど蚕が繭に籠もる頃、昼でもあまり日の入ってこない蚕室に薄明かりが差しているという俳句です。春や夏の蚕に比べて少なめに飼うという秋蚕らしい静けを感じました。そして、「籠れる部屋」というところには、やがて来る長い冬を予感させるものがあるように思いました。

  若葉風母となる日の近づきぬ
  六月の空に触れをり避雷針
  曼珠沙華隠れ咲くとはゆかぬらし
  秋繭の籠れる部屋の薄明り
  成人の日の立山と対峙せる
  雪折れに芽吹く力のありにけり
  ふいに手を取られ祭の人込みに
  ファインダーはみ出し割るゝ大花火
  剱岳切っ先蒼く夏に入る
  手鏡を伏せて春愁終はりとす
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テーマ : 俳句    ジャンル : 小説・文学

句帳の清書 2001年 その4


Category: 俳句 > 句帳の清書   Tags: 八千代  慶大俳句  三田  惜春  本井英  志賀高原  横浜  花火  京都  祇園祭  
 7月1日 房総のむら(7月4日 慶大俳句三田句会)
じりじりと村の日差しや凌霽花
茂りより舞ひ上がりたり蝶の恋

 7月1日 房総のむら
万緑や雨の煙の立ちのぼり

 7月3日
茶一服飲みて涼しき木陰かな

 7月14日 京都祇園祭
盛塩の開店準備夏の宵
きぬかけの路とは優しはた涼し
湧水に全き蜘蛛の網二つ
ぎゆうと鳴りぴしと鳴り渡殿涼し
幕垂れて明王堂の涼しけれ
大通隔て山鉾相対す
牛若の白き面や宵飾

 7月16日 同上
水面をややへこませて浮葉かな
京洛は山に囲まれ暑さかな
父母に伴はれたる浴衣の娘
両岸に遊びの町や夏柳

 7月17日 同上
軋みつつ長刀鉾の大車輪
月鉾の月の飾よ曇空
鉾の列東山まで続きをり
見上げたる鉾の囃子の眩しけれ
ピーと吹き祇園囃子を収めけり
鉾解くや揃ひの鉾のTシャツで
還御せる鉾の囃子の続きをり
待ち受ける湯呑の数よ鉾の宿
鉾回す力を溜めて囃子かな
鉾の稚児眩しくをりて動かざる
長刀の鉾そびやかし路地を来る
山鉾の戦の如く来りけり

 7月24日 惜春夜句会
渓流に朝の日射しや合歓の花
グライダーの影の泳げる青田原

 7月30日 前日の関宿(7月31日 夜鷹の会)
農薬を撒ける一人や青田波

 7月30日 前日の関宿
茂りゐて川の流れを分けてゐる
田圃道ひまはりの叢見えてきし

 7月30日 本井英先生宅 海句会
夏潮に間口を広く海の家
遊泳の区域に飼はれをる如く

 8月1日 横浜花火大会
弾けしがさらに弾けて揚花火
人魂の如くに昇り花火かな

 8月6日 小見川花火大会(8月7日 逗子)
点々と水郷の灯や揚花火
電柱の海抜表示浜おもと

 8月12日 葉山
大甕に稲を育てて避暑の荘

 8月14日
子供らは泳ぎて待ちてバーベキュー
おむつ着けあひるの如し水遊

 8月20日 日光?
とんぼうの空の向かふの瀑布かな
日の帯の末広がりや霧の滝
高原のレストハウスの秋桜

 8月21日 同上
高原の初秋の日射ぴりぴりす
樽に植ゑてレストハウスの吾亦紅

 8月24日 慶大俳句合宿 志賀高原・石の湯ロッジ
登りきし本丸跡の千草かな

 8月25日 同上
爽やかや小骨の如き白かんば
白樺のしまうまの脚爽けしや
山荘に霧の一日を過ごしけり
蝋燭を灯して避暑の夕餉かな

 8月26日 同上
山荘へ丸木階段月見草
山荘の夜長を守る煖炉かな
食堂の小写真展秋灯下

 8月26日 (9月10日 夜鷹の会)
高原へ月曜からの秋の旅

 8月27日(9月10日 夜鷹の会)
路線バス霧の峠に一服す

 8月27日
火の山の毒気に低く濃竜胆

 8月29日
星今宵真夜に至りて雲晴れて
上州は関八州にして残暑

 8月31日 八千代(9月10日 夜鷹の会)
金色のコスモス曇りがちの日も
増えず減らずコスモスの盛りの日々よ

 8月31日 八千代
灯火親し天井までの書に埋もれ
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プロフィール

前北かおる

Author:前北かおる
 昭和53年4月28日生まれ。慶應義塾大学俳句研究会、「惜春」を経て、「夏潮」創刊に参加する。第1回黒潮賞受賞。「夏潮」運営委員を務める。平成23年5月、第一句集『ラフマニノフ』を上梓。平成27年12月、第二句集『虹の島』を上梓。千葉県八千代市在住。

 
 
 
 
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『夏潮』Web俳句鑑賞を担当しています。お気軽にご投稿ください。
 
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