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磯田和子句集『花火』(第零句集②)

 「夏潮」第零句集の第二弾は、磯田和子さんの『花火』です。富山の方です。 現代人らしい視点からお詠みになった俳句が多いですが、一方で自然体で郷土を詠まれた句もありました。一冊を通して読むと、肩肘張らずに風土に根ざしている感じで清々しかつたです。  秋繭の籠れる部屋の薄明り 「秋繭」が季題で秋。農家の一室に秋蚕を育てているのです。中二階の部屋を蚕室にしているような、養蚕農家を想像しました。ちょうど蚕...

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句帳の清書 2001年 その4

 7月1日 房総のむら(7月4日 慶大俳句三田句会)じりじりと村の日差しや凌霽花茂りより舞ひ上がりたり蝶の恋 7月1日 房総のむら万緑や雨の煙の立ちのぼり 7月3日茶一服飲みて涼しき木陰かな 7月14日 京都・祇園祭盛塩の開店準備夏の宵きぬかけの路とは優しはた涼し湧水に全き蜘蛛の網二つぎゆうと鳴りぴしと鳴り渡殿涼し幕垂れて明王堂の涼しけれ大通隔て山鉾相対す牛若の白き面や宵飾 7月16日 同上水面をややへこませて...

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