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俳諧師 前北かおる

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『現代俳句文庫 村上喜代子句集』。


Category: 俳句 > 句集鑑賞その他   Tags: 村上喜代子  現代俳句文庫  村上喜代子句集  ふらんす堂  
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 俳人協会千葉県支部でご一緒させていただいている村上喜代子さんから『現代俳句文庫 村上喜代子句集』(平成27年3月、ふらんす堂刊)をいただきました。既刊句集『雪降れ降れ』、『つくづくし』、『八十島』、『間紙』からの400句とエッセイに、辻田克巳、片山由美子、小島健、津久井紀代の各氏による解説を付した一冊です。飾らない日常から掬い取られた詩に、普遍的な力を感じました。

  美しき生ひたちを子に雪降れ降れ
 「雪」が季題で冬。第一句集のタイトルにも採られている一句です。いま降り出した雪を見た記憶が、やがて成長した子供にとって美しい思い出になり、成長過程の一ページを彩ってくれるように。雪に向かって、もっと降れもっと降れと呼び掛けているのです。「降れ降れ」の畳みかけに、息の詰まりそうな気迫が込められています。「生ひ立ち」という語の選択といい、母親でなければ決して詠えない名句です。

  転住をともに重ねし雛飾る
  美しき生ひたちを子に雪降れ降れ
  家ぢゆうをみがき上げたる素足かな
  虹を見る見舞ふ言葉の貧しくて
  きぬさやの筋とつてゐてうはのそら
  改札に風鈴上総一ノ宮
  書き出して鶯のよく鳴く日かな
  春の雲出窓に顔の集まれり
  凧揚がる天安門の広場かな
  八月や列なすものに加はらず
  垂れ目よき大内雛がわが持仏
  起し絵のやうな町並夕立過ぐ
  鳴きだして重くなりたる虫の籠
  土竜塚春へつづいてゐるやうな
  篝火の水に散る音夜の秋
  をととしの羽子板売りを探しけり
  桜炭名乗りあはずに語らひぬ
  単線の列車が真つ赤久女の忌
  間紙のうすむらさきも雛の頃
  稔田や夜は空港の灯が点る
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テーマ : 俳句    ジャンル : 小説・文学
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プロフィール

前北かおる

Author:前北かおる
 昭和53年4月28日生まれ。慶應義塾大学俳句研究会、「惜春」を経て、「夏潮」創刊に参加する。第1回黒潮賞受賞。「夏潮」運営委員を務める。平成23年5月、第一句集『ラフマニノフ』を上梓。平成27年12月、第二句集『虹の島』を上梓。千葉県八千代市在住。

 
 
 
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