Archive2017年01月23日 1/1

本井英句集『開落去来』鑑賞。その13

  とつとつとつとつとつとつとつ狐去る 「狐」が季題で冬。作者から少し離れたところを、狐が駆けてゆくのでしょう。こちらの方からやってきた狐が、作者に気がつかないままあちらの方へと駆け去っていきます。その軽快な足取りを「とつとつとつ」と促音で表現したのです。上五から中七にかけて繰り返されてみると、狐が駆けていく様を映像で見せられているような気がしてきます。そして、最後の「去る」で、野原に取り残された...

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