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俳諧師 前北かおる

虹の島年に何度も合歓の咲く――第二句集『虹の島』好評発売中!

 

塩野谷仁句集『夢祝』。


Category: 俳句 > 句集鑑賞その他   Tags: 塩野谷仁  遊牧  邑書林  夢祝  

 千葉県俳句作家協会でお世話になっている、「遊牧」代表の塩野谷仁さんから句集『夢祝』(平成30年3月、邑書林刊)をいただきました。ありがとうございます。
 眼前に存在するものを手掛かりとしながら、大きな時間、空間へ詩的に飛躍するような作風が魅力的でした。書名にもなっていますが、夢を詠んだ俳句も印象に残りました。

  根深汁古来人みな灯に帰る
 「根深汁」が季題で冬。わが家で夕食に葱の味噌汁を口にしながら、昔から人というものは夜になれば灯りのともるところに帰ってきたのだなあという感慨にふけったという俳句です。竪穴住居の時代でも家のなかに焚火のあかりがあったでしょうから、なるほどその通りです。「根深汁」という季題が、穏やかな考えにふけることのできる幸せを伝えていると思いました。

  寒林に灯があり塩の道があり
  花ぐもりとはにわとりの蹲る
  攫われるなら朧夜の柱かげ
  誰からも遠い時間を木の実降る
  呼び止められしやと菫をふり返る
  春眠のなかのみずうみまた溢る
  合歓の花夕日に余力まだ残る
  噴水の向こうの夜を疑わず
  花過ぎの水を掬えば水に闇
  夜の中の夜を濡らして虫時雨
  夜なくば神話なからんつづれさせ
  根深汁古来人みな灯に帰る
  引き返すには来すぎたる冬菫
  怒り静かにこの晴れを罌粟ひらく
  葱坊主人類弱りはじめたる
  海紅豆あすは朝日となる夕日
  つねの日のつねの落日桐一葉
  月へ注ぐ川もあるらん鳥渡る
  こんなことに泣けて芒のなか通る
  たしかなる霧となるまで霧歩く

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テーマ : 俳句    ジャンル : 小説・文学

句帳の清書 2017年7月


Category: 俳句 > 句帳の清書   Tags: ---
 7月2日 八千代句会
網戸の網買うて訪ぬる実家かな
ふと母の弱音網戸を張りながら
網戸張りをへて実家に風とほす

 7月3日 文学特論(は)
日盛の配管包むステンレス
青トマトガスより成れる星の如
ひまはりの棘逞しき蕾かな
試験無事ならず炎天ただならず

 7月3日 慶大俳句
水鉄砲持たせて出して静かなる

 7月4日 文学特論(は)
鉄線や灯りて白きすり硝子
花柄のなほも真黄色胡瓜の実

 7月5日 文学特論(は)
青柿や熱蓄ふる石畳
花胡瓜の黄とは濃からず淡からず

 7月5日 志木吟行会
青柿や葉裏ほどなる淡さもて
洗濯を取りこみをへて紫蘇の叢
太るより先にねぢれて胡瓜の実
初蟬の音を細々と長々と

 7月5日 夏潮池袋句会
夏菊や大川べりの佃煮屋

 7月6日 文学特論(は)
向日葵のぴかりと高くありにけり
針金を吊つてアンテナ雲の峰
夏蝶の闇脱ぎ捨ててきたりけり

 7月9日 和っ会 国分寺
妹に水鉄砲を奪はれて
造り滝大藤棚の向かうなる
落ち口を縁どる光造り滝

 7月10日 文学特論(は)
夏の蝶二階の屋根を軽々と
向日葵や下葉だんだん枯らしつつ
穫り入れが済んで胡瓜の花数多
隙間なき葉擦れの音の涼しさよ

 7月11日 文学特論(は)
蒲の穂をねぢりあげたる草のつる
垂直に復して蒲の穂なりけり
水草の忽とはびこる旱かな

 7月12日 文学特論(は)
草なかのホースの上を蟻走る
手を入れて背中を搔けば雲の峰

 7月12日 志木吟行会
花殻が葉にべつとりと日々草
ひまはりや獅子にたてがみ土星に環
ひまはりや三方壁に囲まれて
鉄線やブラインドから灯が漏れて

 7月13日 文学特論(は)
吸ひついてきさうな百合の蕾かな
黒斑を浮かべて不敵車百合
竦みをる蜥蜴の背ナを蟻が越え
その間蜥蜴の喉のひくひくす

 7月15日 ホッケー部東日本大会
子燕をかばつて強き家族かな

 7月16日 甲府(7月24日 閏の会)
厳かに曇る山々凌霄花
昼顔の這うてフルーツラインとふ

 7月16日 夏潮十周年記念クルーズ募集句
夏潮や十年を祝ふ船仕立て

 7月18日 志木の森ツアー 伊賀上野(7月19日 志木の森ツアー句会)
一対の鯱小さき茂かな
涼風や高石垣のへりに立ち

 7月19日 志木の森ツアー句会
いつまでも足を浸して夕焼くる

 7月22日 八千代句会
旋風の立ち消えになる旱かな
花臭木眩しき眺め広がれる

 7月24日 文学特論(は)
青柿の色脱けさうな日射かな

 7月24日 閏の会
明日よりは模試に講習海開

 7月26日 夏潮東京吟行会
灸花棘ある草に取り縋り

 7月27日 森の呼友句会
かがみ込みスマホを覗く日傘かな
夏の野の蛻の殻のベビーカー
やぶれたる花びらひとつ蓮の葉に
堂々と太りて蓮の蕾かな

 7月27日 高瀬竟二さんへ
癒えて詠む月よ紅葉よ秋を待つ

 7月30日 28、29日、名栗渓谷へキャンプに行く(八千代句会)
段ボール燃やしキャンプの朝かな
水遊木橋行つたり来たりして
朝蟬やよろしくぬるき露天風呂
夜の秋火の衰へを見守りて

 7月31日 「夏潮」課題句
板囲ひはちきれてゐる落葉かな

テーマ : 俳句    ジャンル : 小説・文学

志木吟行会in八千代。


Category: 俳句 > 吟行・句会   Tags: 志木吟行会  八千代  
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 連日のお花見句会となりました。今日はマスクをして出掛けました。雲雀や雉子が鳴いていました。
  声ばかり聞こゆる雲雀仰ぎけり
※今月6回目、今年20回目。
テーマ : 俳句    ジャンル : 小説・文学

夏潮東京吟行会。


Category: 俳句 > 吟行・句会   Tags: 夏潮  東京吟行会  
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 今日は東京吟行会に出席しました。桜は満開でしたが、花粉の飛散も全開でした。
  百千鳥いつか明るき径となり
※今月5回目、今年19回目。
テーマ : 俳句    ジャンル : 小説・文学

マナゴルフクラブ。


Category: スポーツ > ゴルフ   Tags: ---

 久々にゴルフをしてきました。三世代が勢揃いして、ゆっくり回ってきました。若君が、18番ホールの谷越えを成功したのに驚かされました。私も1年3ヶ月ぶりでしたが、56の53で109と悪くない感じでした。
テーマ : ゴルフ    ジャンル : スポーツ
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プロフィール

前北かおる

Author:前北かおる
 昭和53年4月28日生まれ。慶應義塾大学俳句研究会、「惜春」を経て、「夏潮」創刊に参加する。第1回黒潮賞受賞。「夏潮」運営委員を務める。平成23年5月、第一句集『ラフマニノフ』を上梓。平成27年12月、第二句集『虹の島』を上梓。千葉県八千代市在住。

 
 
 
 
初めての俳句
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『夏潮』Web俳句鑑賞を担当しています。お気軽にご投稿ください。
 
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