Archive2023年06月21日 1/1

本井英主宰近詠鑑賞。「夏潮」2023年6月号

  のどけしや我が終章の無言劇 「のどけし」が季題で春。「我が終章の無言劇」が具体的に何を指すのかが難しいところです。作者の状況を知っていれば、晩年に声を失ったことと解することができますが、他にも、身内や親しい人を次々に亡くして話し相手もないとか、家族の不和とか、様々な状況が思い浮かびます。読者それぞれの経験や身の上で自由に鑑賞できる、幅の広さを有する俳句と言えるでしょう。そのうえで、「のどけしや...

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