田中香句集『雪兎』(第零句集⑯)

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 夏潮第零句集、今月は田中香さんの『雪兎』です。福岡の学校にお勤めの方です。
 誠実な写生句が魅力的で、一音も無駄にしないという姿勢が感じられます。

  白波の横一線や南風吹く
 「南風」が季題で夏。初夏には「卯波」という季題もありますが、これは梅雨が明けた頃の景色でしょうか。沖から白波がかなり幅広く横一線に寄せてくる、そして波の上を気持ちの良い南風が吹き寄せてくることだという俳句です。「や」の切れ字によっての勢いが表現されていて良いと思いました。

  レコードに針を落として籐寝椅子
  白波の横一線や南風吹く
  鱚釣りの錘の跡の砂浜に
  蚊遣火の煙を乱し猫通る
  蓮の葉のしたゝかに雨零しけり
  おはじきのごと銀杏を分け合へり
  臘梅を離るゝときにふと香る
  立春といふ心もて雪に立つ
  真円に開き初めたる八重椿
  高層に窓拭く人や今朝の秋
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