句帳の清書 2022年7月

 7月1日 アジサシの会
伝線の気になつてゐる網戸かな
晩酌の始まる頃の網戸かな
仰向けに赤子の眠る網戸かな
乗り継いで見舞に来たる網戸かな

 7月3日 俳人協会若手部オンライン早朝句会
フェアウェイの輝いてゐる暑さかな
埼玉の群馬に近き暑さかな

 7月3日 超結社句会12番勝負
水餃子ふやけて歪む暑さかな
幹に背を預けて眠る裸足かな
四阿の屋根より実生梅雨明くる
むつたりと山梔子の香の澱みかな

 7月4日 日本語特論
稲作を止めて藺草の咲くままに
蔓草の食ひ込んでゐる穂蒲かな

 7月5日 夏潮WEB句会
森閑と茅葺農家日向水
家の奥深く人声日向水
生垣の外を江ノ電日向水

 7月6日 夏潮池袋句会
蝦夷菊やむかし屯田兵として
みちのくの都のありし泉殿

 7月9日 八千代句会
目つむれば日盛の橋揺れてをり

 7月11日 日本語特論
風音に溶けきるほどの蟬の声
蟬時雨駐輪場に隙間なく

 7月12日 働き方改革吟行会
島人に東京の夜の暑さかな
スコールに橘丸の接岸す
夕涼の人と港湾労働者

 7月16日 (8月3日 俳人協会夏季俳句指導講座)
毎日のやうに胡瓜の届けられ

 7月18日 安里琉太さん結婚式
今宵涼し恒に佑くと誓ひ合ひ

 7月18日 沖縄(7月19日 夏潮WEB句会)
夕立のなきまま潤む夜景かな

 7月19日 沖縄(夏潮WEB句会)
ひと泳ぎしてきて小さきレストラン
最果の蘇鉄の花の岬かな

 7月23日 本井英先生の喜寿を祝う会
星条旗蟬の脱殻つけてあり
ひまはりや青き庇のカフェテラス
噴上の水の喘いでゐたりけり
かをること忘れて薔薇炎天下
噴水をバスが一周してゆきぬ

 7月30日 八千代句会
雷帝の欠伸きこゆる日の盛り
先触れの風がひやりとはたた神
また今日も雷雲の広がり来

 7月31日 「夏潮」課題句
この家に父母あらず花八手
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