句帳の清書 2022年8月

　8月2日　夏潮ＷＥＢ句会
歯ブラシで麦藁帽子洗ひけり

　8月5日　アジサシの会
玉の汗硝子の破片かたづけて
夕立を浴びてしばらく露天風呂

　8月7日　小田原（8月8日　偶会）
カウベルの聞こえてソフトクリームよ

　8月8日　偶会
初秋の檜の香る大手門
足湯より大海原を爽やかに

　8月9日　働き方改革吟行会
平皿にピカソの描きし秋の顔
二人ともみどり児なりし芒かな

　8月13日　八千代句会
園庭に四五人遊ぶ野分前
うたた寝のうちに近づく野分かな
二割引シールぺたぺた野分前
大ホール搬入口に野分来る

　8月16日　ゴルフ部早慶戦
爽やかな球を打ち抜く木の間

　8月17日　日本語特論
秋雨や足場の中の体育館

　8月18日　夏潮稽古会　武蔵五日市
草の花財務省上交差点
涼あらた神殿のごと檜立ち
灸花引けばぽろりと零れたり
秋簾祠の如き直売所

　8月19日　同前
滝風のあふる子供のワンピース
滝道を引き返しくるブルドッグ
白き歯を見せて瀑布に仁王立ち
注連縄のやつれてをりぬ法師蟬

　8月20日　同前
提灯のあかりを辿り滝まつり
参道の如きともしび夜半の滝
新涼の沢へ垂れたる牡丹蔓
舞茸の天丼を待つ山の風

　8月21日　同前
北条の百年ありし榧の秋
幽霊のやうな腰つき蛍草
側溝の鉄格子より蛍草
法要の短く済んで秋の蟬
叢に埋れてをらず蛍草

　8月25日　志木の森（8月27日　八千代句会）
ガレージに並ぶる床几かき氷
峠まで誰にも会はず花臭木
山ひとつ越えて奥伊勢豊の秋
清流を描ける襖ビール酌む

　8月27日　八千代句会
深山より露けき檜伐り出だし
杉叢の杉に露けく枯るるあり